こんにちは。
本日発売のシンデレラグレイ22巻。
表紙はかの名門メジロ家のご令嬢の1人・メジロライアンです。
お嬢様というより、見た目は元気なスポーツウーマン。
だけど心はキュートで繊細なウマ娘。
さて、とうとう来ましたかこの時が。
来てほしくなかったけど避けられないこの時が。
しかし皆さんご安心を。
この巻は決して悲痛なだけではありません。
人が飛び上がるためには一度沈み込まなくてはいけないように
さらに高く飛び上がるための準備段階の巻なのです。
それでは今回もちょっとだけ
あらすじお話し(ネタバレ)させてください。

※この記事はネタバレを含みますのでご注意ください。
第22巻あらすじ~最終章への幕明け~
シンデレラグレイ21巻をおさらいしたい方はこちらもどうぞ☆
オグリの涙が辛い!
↓
シンデレラグレイ21巻まとめと感想 走れない私はなんのために?
終わった偶像(アイドル)
秋の天皇賞で敗退したオグリキャップが涙を流してから1カ月後。
東京レース場ではジャパンカップ(G1)が開催されていました。
かつてオグリがタマモクロスやオベイユアマスター、フォークインらと死闘を繰り広げたジャパンカップ。
しかしトップ争いにオグリの姿はありません。
それどころか着順はなんと11着!
今までにない大敗です。
優勝ウマ娘からも期待外れと言葉を掛けられますが、果たしてそれが彼女に聞こえているやら。
明らかにおかしいオグリの調子に、皆動揺を隠せません。
世間はオグリもとうとう引退かとざわつく毎日。
トレセン学園前にも多数の報道陣が詰めかけ、オグリの進退を探りたがっています。
かつての怪物は見る影もなく、それは他のウマ娘達にも大きな影響を与えていました。
ミルワカバはやる気を失い、ヤエノムテキは秋天でオグリを偶像から引き落としたことに迷いを感じています。
世間では、時代は次の「新三強」に移ったという声も挙がってきています。
新三強とはメジロマックイーン、ブライトロック、そしてメジロライアンの3人。
マックイーンは菊花賞で優勝し、六平(むさか)トレーナーのチームに入りたいと猛アプローチ。
彼女は葦毛の偉業を次世代に引き継ぐウマ娘となるのでしょうか?
それにしてもジャパンカップの描写が1話だけ、それもほとんど終盤だけで個人的にはホッとしました。
やっぱりオグリが打ちのめされる姿は見たくないですもん。
心臓
引き際ーーという言葉が重くのしかかる日々。
オグリはそれを打ち消すかのように練習に明け暮れますが、それはもはや無駄なあがき。
オグリの心臓は「スポーツ心臓」と呼ばれる強靭なもの。
それが彼女の驚異的な走りとスタミナを生み出していました。
しかしその力も使い果たされた今、あとは「死(引退)」を宣告されるのみ。
六平は引退を告げるのは自分の仕事だと決意します。
潮時
元のように走れるために何かできることはないかと必死で模索するオグリ。
しかし六平の「引退」通告が、彼女をどん底に叩き落します。
「引退だ、オグリキャップ」
六平の静かな声が響き渡る瞬間と、オグリの絶望の表情。
つ、辛い…!ウウウ…。
攻め寄る北原(見習いトレーナー)も引退自体は否定しません。
そう、皆ただ認めたくなかっただけで、本当はうすうす感じていたのでしょう。
オグリ自身も心の底では分かっていたはず。
それでも一筋の光明にすがりつき、必死でその考えを振り払おうとしていた。
だって、走れない自分には何の存在価値もないのだからーー。
夜の中、オグリは泣き叫びながら走ります。
彼女を追うベルノライトと北原。
そこでふと北原は気づきます。
オグリを追い詰めたのは自分ではないかと。
オグリに自分の夢を押し付けてしまったために、彼女は自分でも知らず知らずプレッシャーを感じていたのかもしれないと。
一方、オグリに追いついたベルノ。
「私は速いだろう?」というオグリの問いに何も答えることができません。
ベルノの反応に絶望するオグリは動けないベルノを残したまま、1人闇の中へと消えて行きました。
私はもう走れないんだ
オグリの脱げた靴を抱え泣いているベルノの元に、北原がやって来ます。
全てを察した北原は靴を受け取り、すぐオグリの後を追いかけました。
力尽きたオグリは地べたに座り込んでいました。
「託された」自分は走らなきゃいけないのに、この脚はもう前のように動いてはくれない。
自暴自棄のように自分の脚を叩き続けるオグリ。
「走らなきゃならないんだ!私が!」
悲痛な慟哭が絞り出されるその時、北原が彼女の後ろから名前を呼びました。
「引退」という言葉を聞きたくないオグリは北原の話しかけを遮り、自分からその重い言葉を発します。
「私はもう走れないんだろう?」とーーー。
もうこの前後のオグリは見てられません。
自分が全盛期を過ぎてしまったという事実を受け入れられないこと。
そして、託された夢や想いという重い荷物に、押しつぶれされそうになっていること。
そして北原も六平もベルノも、誰も何も悪くないのに、オグリを救うことができない自分を責めている。
地獄?ここは?
しかし北原は怖気づきません。
彼の勇気ある言葉が、この後オグリを救うことになります。
走りたいか?
沈み込むオグリに北原は次の有馬記念の話を持ち掛けます。
てっきり引退を促されるとばかり思っていたオグリは戸惑いますが、北原は冷静に言葉を続けます。
「俺はお前の気持ちを聞いている」
「走れるか走れないかじゃなく、走りたいか」
その言葉にオグリは本当の想いを溢れさせました。
それは彼女の原点。
走る事への渇望。
「走りたいか?オグリキャップ」
もう一度問われた言葉と差し出された彼女の靴。
オグリは靴を受け取りながら、涙ながらに答えました。
「走りたい…!!」
走れるかどうかじゃなく、「走りたいか?」という言葉を選んだ北原。
くぅ~~~!!
泣ける!!
そうです、そうです!
期待に応えるとか負けられないじゃないんです!
だってあなたは、走る為に生まれてきたのでしょう?
北原、グッジョブ!マーベラスです!!
これで一筋の光明が、今確かな道しるべとなってオグリを導いていくことでしょう。
ラストランに向けて
六平のところへ戻ったオグリ達。
オグリを有馬記念に出走させるという北原の決断に、六平は無謀すぎると却下します。
もう「スポーツ心臓」ではないオグリがこれ以上無茶をすれば、レースはおろか走ることさえできなくなるかもしれない。
初めて聞いた事実に北原は動揺しますが、ベルノは一歩も引きません。
「私がさせません」と言い切るベルノ。
北原と一緒にオグリを徹底的にサポートし、無事に有馬記念を完走させると約束します。
その真直ぐで力強い瞳に六平は心を決め、オグリはラストランとして有馬に出走することになりました。
ベルノちゃん、カッコいいよ!
あなたそんなに強い子だったのね!
そして共にオグリの荷を背負う覚悟をしたチーム、最高です!
オグリの瞳にもようやく光が戻りました。
これから本格的にラストランへ向けて始動です。
最終章「シンデレラグレイ篇」へ
オグリがすぐには引退せず、有馬記念をラストランにすると発表され、世間は大騒ぎ。
マスコミの過熱もここまでくるともはや暴動レベルで、トレセン学園ではその対処に大わらわです。
ここで初めてトレセン学園理事長が登場し、自衛隊のような部隊を投入してなんとか事態を収めてくれるのですが。
読んでいてなんだこれ(笑)と思いました。
オグリの記事を読みながら少し安心したようなスーパークリークとイナリワン。
オグリを独りにさせてしまったことを気に病んでいたイナリは、元気そうなオグリの誌面の写真を見て嬉しそう。
ヤエノムテキも記事を読んで涙を浮かべます。
自分が引きずり下ろしてしまったかもしれない偶像に対して、ヤエノは複雑な心境だったでしょう。
それでもやはり皆、オグリの復活を願っているのですね。
しかし、新しい世代はすぐそこまで迫っています。
最後のページは、有馬でぶつかることになるであろうウマ娘。
メジロライアンの登場で終わります。
強敵と思われるライアン。
彼女とオグリはどんな闘いを繰り広げるのか。
そしてオグリは無事有馬を完走できるのか。
いよいよ次巻、ラストランの最終巻へ!
物語は最後のシンデレラストーリーへ
栄光の刻が終わり、悲嘆にくれるオグリの苦悩が描かれていたこの巻。
今までのアツいレース描写とは違い、心情にスポットを当てた珍しい構成になっていました。
激しさが少ない分、沈黙や引きのコマ、視線や表情で巧みに人々の胸の内を表わす描写が見事。
作画の久住先生の画力が最大限に発揮されていて、物語の内容が熱く胸に刺さってきます。
Xの公式アカウントでは22巻発売記念PVが公開されていますので、そちらもご覧になってください。
めちゃくちゃ苦しそうなオグリがいて、見てて辛いですけど( ノД`)…。
さあ、次はいよいよ最終巻。
物語は最後のシンデレラストーリーへ!
そして12月25日発売のヤングジャンプ本誌で最終回。
約5年半の連載に終止符が打たれます。
灰被り姫の物語は果たしてどういう結果を迎えるのか。
待ちきれない、でも終わってほしくない気持ちを入り混ぜながら、その時を待ちたいと思います!
それではまたー!
追記:
アニメイトの初版特典では、ドレスアップしたオグリ達のポストカードが付いてきます。
いつもと違った雰囲気でみんなオシャレ♡
メロンブックスでは、ゾーン突入時オグリのかっこいいポストカード付き。
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