こんにちは!
出ました出ました『シンデレラグレイ』最新刊!
9月18日に第21巻が発売されましたー♪
表紙はヤエノムテキ。
穏やかな笑みを浮かべ、右手を差し出しています。
X公式アカウントの宣伝には
サクラチヨノオーは見守る。
戦い続けたライバルたち、
ヤエノムテキの矜持を。
と書いてありますが、いったい何があったんでしょう?
もしかして…?
そんな気になる21巻の中身を
ちょっとだけお話しさせて(ネタバレ)ください~。

※この記事はネタバレを含みますのでご注意ください
天皇賞・秋(秋天)~開幕~
秋天開催当日、各ウマ娘が入場する中、ターフに現れた葦毛の怪物への声援が場内を揺らします。
オグリの人気はもはや別次元。
永世三強のうち2人が抜けてしまったこともあって、観客はオグリの勝利を疑いません。
異常な熱気に他のウマ娘達も心穏やかではない模様。
そんな中、一人だけ冷静なのはヤエノムテキ。
「貴方は私が倒します」
と、オグリに静かに宣戦布告します。
ヤエノムテキはいつもオグリに対して分かりやすい闘志を燃やしているのですが、今回はそれとはちょっと違う感じ。
心の奥に蒼い炎が揺らめいているような、静かな、でも断固とした決意を感じます。
駆け引きだらけのハイレベルなレース
スタート序盤から、オグリは早くも大外に出ます。
2000メートルのフルゲート(18人)レースで、他の出走者に囲まれないようにするための北原のアドバイスでした。
しかもどんどんとペースを上げるため、他の出走者達は焦ります。
オグリの後ろに食らいつくのはミルワカバ、メジロアルダン、そしてヤエノムテキ。
メジロアルダンは距離ロスを抑えるため、ギリギリのコーナーワークで最内を狙いますが、先手を打ったヤエノムテキに最内を奪われてしまいます。
そして中盤、第3コーナーを過ぎた辺りで、今度はバンブーメモリーが仕掛けます。
もともとマイラー*の彼女
最終局面まで脚を温存し、走者がばらけた時点からスパートをかける作戦でした。
バンブーちゃんはいつも快活で、ここでも元気に「いってきまーす!」と言ったりして可愛い♡
*おおむね1600メートル前後のレース向きの走者
知らず知らずのうちにオグリに煽られ、ハイペースになっていた走者たちは、もう体力が残っていません。
そしていよいよオグリが先頭に!ーーーと思われたその時、トップに躍り出たのはなんとヤエノムテキ!
エノムテキはオグリをオグリを観察し続け、オグリにとって最も有効な最適解を導き出したのです。
レース描写の迫力が毎回すごいんですが、私の拙い文章だとそのすごさの100分の1も伝えられなくて、ホントごめんなさい(´Д`)
(でも頑張ります!)
やっと貴方に届いた
皆がオグリを偶像視する中、ヤエノムテキだけはオグリを「一人のウマ娘」として見るようになっていました。
同じウマ娘なのだから、倒せないはずはない。
ただしそれは、神を人間に引きずり下ろし、人々から夢や希望を奪うのに等しい行為だということも、彼女はよく分かっていました。
そこまでしても彼女はオグリに勝ちたかった。
なぜなら、ずっとオグリに謝りたかったからです。
最初の出会いの時、ヤエノムテキはオグリに対して妬みや敵意を持っていました。
だからオグリに握手を求めた時、敵意を込めた左手を差し出していたのです。
そのことを謝りたいと思った時にはすでに、オグリは手の届かない存在になっており、様々な重圧をたった独りで背負わされていました。
タマモクロスと走っていた時もそうですが、オグリが本当に強くなるにはライバルが必要なんですよね。
自分と肩を並べて切磋琢磨できる仲間でありライバルが。
でも永世三強の2人が去った今、残りの一強として何もかも一人で背負わなくてはならない。
その中で走る意味も楽しさも忘れてしまったオグリに、やっと追いつくことができたヤエノムテキ。
「もうあなたを独りにはしない」と縋りつきます。
オグリの孤独さえも一緒に背負おうとしてくれたヤエノちゃん。泣けます…( ノД`)
残り200メートル、ゴール版の見えた時点。
他の走者達が次々とオグリを追い抜いていき、彼女のシンデレラタイムは終わりました。
勝者はヤエノムテキ。
レコードタイムを叩き出し、彼女はオグリに初めて勝利したのです。
レースの果てに
レースが終わった後の皆の反応は様々でした。
覚悟を背負う者、前を向く者、言葉を失い呆然とする者。
もうどうだっていいと吐き捨てる者。
そして、
走れない私はなんのために生まれてきたのかと、自分に問いかけ涙を流すオグリーーー。
第4章「葦毛の怪物編」はここで終わり、物語はいよいよ最終章へと向かいます。
レース中、観客席で見守るサクラチヨノオーが、仲間の雄姿を湛えながらも、「やっぱりそこに自分がいないのは悔しいし羨ましい」と呟きます。
チヨちゃんはダービー馬なのに、ずっと怪我に悩まされ続けてきて、今回も出走できなかったんですよね。
無事にレース人生を全うできるウマ娘はごくわずか。
怪我や力の無さに打ちのめされ、ターフを去って行く者がほとんどです。
そんなウマ娘達の姿がチヨちゃんに重なって見え、彼女たちの未来に幸あれと思わず祈ってしまいました。
感想まとめ
21巻では、秋天でのヤエノムテキの勝利と、オグリの敗北が描かれていました。
「怪物」の敗北は、オグリを軸とした周りをも一変させてしまうかもしれない。
そんな余韻を残す終わり方でした。
そしてヤエノムテキ。
「貴方の隣に立って、今度は右手で握手をしたい」
そんな彼女の願いは叶いませんでした。
表紙に描かれた彼女の姿は、現実にはならなかったのだと思うと切ないですね…。
それにしても、この巻ずっと気になったのがオグリの表情、特に目!
いつもどんなレースでも、負けた時でも、オグリはキラキラと目を輝かせて生き生きとしているのに、この巻のオグリは目が黒いんですよね。光がない。
「走るために生まれてきた」とまで言っていたオグリが、義務感のようなものにとらわれ自分を追い込んでいる。
それと同時に、今までのように走れなくなることへの恐怖が沸き上がり、それを打ち消すかのように「大丈夫、まだ走れる」と自分に言い聞かせる姿。
見ていて胸が苦しくなります。
もう今まで見てきたオグリとは別人。
あの食いしん坊でマイペースで天然で、走ることを誰より楽しんでいたオグリはどこへ行っちゃったの?
そして物語はいよいよ最終章へ。
はたしてオグリは以前の自分を取り戻すことができるのか?
今後の展開が気になって仕方ありません。
あー22巻が待ち遠しい!!
まったく余談ですが、メロンブックスでは現在21巻の購入特典として、オグリと永世三強イラストのクリアファイルがついてきます。
泥だらけのジャージ姿でどっかりと座っているオグリ。
後ろにはスーパークリーク、イナリワン、そしてタマモクロスの背中が描かれています。
一人こちらを見つめるオグリの目は何やら虚ろで、何を考えているか全く読めません。
が、かっ…かっこいい…。
多分数量限定だと思いますので、欲しい方はお早めにチェックしてみてください★
それでは、また!
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