こんにちは。
この前は『からくりサーカス』という名作についてお話しました。
皆さん読んだことありますか?
まだの方はぜひ読んでほしい!
完結から20年経ってもSNSでトレンド入りするくらい、熱量ハンパない漫画なんですから!
『からくりサーカス』の面白さ・魅力とは?

作品の内容に触れるので、ちょこちょこネタバレお許しください。
「藤田和日郎先生の最高傑作は?」と聞かれたら、多くのファンが『うしおととら』か、この『からくりサーカス』を挙げると思います。
いったいそれはなぜなのか?
全43巻(文庫版全22巻)に渡る壮大な物語は、複雑に絡み合った糸が終盤に向けて一本に収束していきます。
そして最後に味わうカタルシスは、他の漫画では体験することができないもの。
人生で一度は読むべき漫画『からくりサーカス』
その魅力とはいったい何かを、以下で徹底解説していきます!
①緻密に計算された「伏線回収」
今作の最大の魅力は、なんといってもその「伏線回収の見事さ」でしょう。
序盤の一コマや登場人物の何気ないセリフが、のちに起こる悲劇を示唆していたり、200年前の因縁につながっていたと分かった時の衝撃は鳥肌もの!
一度この「スッキリ感」を味わってしまうと、他の漫画では物足りないという読者もいるくらいです。
②魂を揺さぶるキャラクター達
からくりサーカスには魅力的なキャラクターが山ほど出てきます。
主人公の才賀勝、加藤鳴海にしろがねはもちろんのこと、人形使いや仲町サーカスの面々。
そして敵のオートマータ達にさえも、その強さと魅力があふれています。
どのキャラにも「光」を当てて描く藤田先生の手法は、他の漫画家達にも大きな影響を与えてきました。
先生のアシスタントを務め、後にプロの漫画家として活躍している人達の作品。
例えば雷句誠先生の『金色のガッシュ!!』などにも、その手法は脈々と受け継がれています。
登場人物の「成長」の物語
物語では主人公の勝や鳴海の成長の他にも、2人と出会ったしろがねが人の心を取り戻していく様も描かれます。
物心ついた頃から人形繰りを叩き込まれ、余計な感情を持たぬ「人形」として生きてきた彼女は、物語が進むにつれ「人間」として生きることを覚え、最後に一番大切なものを手にすることができました。
その時の彼女の表情は本当に美しい…!
もちろん他のキャラにもそれぞれに成長の物語が用意されており、その成長を一緒に喜ぶような気持ちになれるのも、今作品の醍醐味だと思います。
敵キャラにさえも当たる「光」
敵キャラも同様に魅力的なのが、この作品の特徴のひとつ。
特に「最古の4人」とされるオートマータ達の心の変化は、読む者の心を震わせます。当初は冷酷で残虐だった彼らですが、ただの「悪」という訳ではありません。
創造主によって人の心が欠落しているよう作られたため、恐れと同時に哀しさを感じさせる存在でもありました。
そんな彼らが人と関わることで、人の心とは何か、命とは何かを学び、徐々に人間らしさを見せてゆく。
その過程と彼らの最期を読む時、心に一陣の風が吹いたような清々しささえ感じます。
忌まわしい敵にさえ光と救いを与えることで、作品の「明」と「暗」が一層際立つ。
そんな役割を与えられた彼らは、今作品を語る上で外せない存在なのです。
感動で打ち震える!登場人物の壮絶な死に様
本作で最も熱く語られるひとつに「登場人物の死に様」が挙げられます。
他の漫画では主人公や他のキャラの生き様や成長にフォーカスされることが多いのですが、からくりサーカスではむしろ「死に様」に力を入れているように思えます。
つまり、そのキャラの生きてきた意味や目的、後悔に成長、そして魂の救済など、すべてが死の間際の一瞬に集約されているのです。
彼らは一様に満足した笑顔を浮かべ去ってゆきます。
それは彼らが自分の役割をまっとうしたから。
演者は演目を終え、静かに舞台を降りていく。
そして次の演者に引き継がれ、新たな幕がまた上がる。
主要キャラの退場=死に様で、こんなにも心が打たれる漫画を私は他に知りません。
見事な演出やセリフに彩られ、まるで舞台の一幕を見ているかのような感動を味わえる、唯一無二の作品だと思います。
③圧倒的な絶望を与える敵キャラ「真夜中のサーカス」
初めて今作品を読んだ人は、まずオートマータ達の強さに圧倒されるでしょう。
彼らは「真夜中のサーカス」と呼ばれるサーカスを率いて世界中を回り、訪れた場所でゾナハ病をまき散らし、人間の血肉をすする。
彼ら一団が通った後には地獄のような惨状しか残りません。
彼らは戦いの上でもすさまじい力を発揮します。
倒しても倒しても数と力で襲い掛かる彼らに、人形使い達は苦戦を強いられ、敗北寸前まで追い詰められてしまいます。
そしてオートマータ達を統率しているのが、「最古の4人」と呼ばれる4体の人形。
創造主によって最初に作られたこの4体は、他のどのオートマータよりも強く、人間に絶望的な恐怖を与える存在です。
そういった圧倒的な強さを持つ人形達に対して、愛や勇気を持って戦う人間達。
心を持つ者と持たざる者の対峙によって、人が人であることの意義がより際立たされています。
④人生を変えるほどの名言の宝庫!
そして忘れてはいけないのが、今作品で生み出された名言の数々。
あまりにも多くてすべてを挙げ切ることはできませんが、あえていうならそれらはキャラの「死に様」の際によく登場します。
私の好きな名言は、半分以上その場面のものですし。
「で、お代はいかほどいただけるんで」
「迷わずお描き、自分の絵を」
「ちゃんと血と肉を持って死んでゆけるわ」
「なんだ、ちゃんと見ているじゃないか」
これはホントに一部に過ぎません。
まだまだたくさんありますから。
いずれ名言集に関する記事を書きたいと思っているので、あえてネタバレは避けますね。
ただ言えるのは、どの言葉にもその人の人生すべてが詰まっているということ。
どの章も名言のオンパレードですので、ぜひ自分のお気に入りを見つけてください!
⑤怒涛のクライマックス:大気圏突入からラストシーンまで
本当の最後の戦いとなるクライマックスでは、舞台は地球を離れ宇宙へと移ります。
迫力あるバトルを経て、宇宙へ向かった主人公。
そしてラスボスとの対峙。
何が起こるか分からない緊張が続き、読者は息つく暇もありません。
そこで起こる出来事は、物語を想定外の結末へと導きました。
全てを壊すつもりだったラスボスが、最後に取った行動はーーー?
彼の選択に、読者はきっと驚きを隠せないでしょう。
そして本編の最後は、最初に描かれたある箇所を踏襲した場面で終わります。
その場面を読んだ時のあなたはきっと、新しい物語が始まったということに気づくはず。
それから伝説の「カーテンコール」
この章を読み終え、本当のエンディングを迎えた時。
あなたにはいったいどんな感情が生まれるのでしょうーーー。
「ただひとつの笑顔」のために生まれた物語
派手なバトル、緻密な伏線、複雑な構成。
一見すると複雑に思える今作品ですが、その根底にあるものは至って単純。
それは愛する人に「笑ってほしい」という純粋な願い。
今作品はある女性の「笑顔」のために生まれた壮大な物語です。
彼女の笑顔をめぐって起こった悲劇から始まり、最後は登場人物達の笑顔で終わる。
そして読み終わった頃には、誰かの笑顔を見たくなり、誰かの幸せを願いたくなる。
そんな人への想いが根底にある物語だからこそ、『からくりサーカス』は今も不朽の名作として、読み継がれているのかもしれません。
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