こんにちは!
今回のテーマは「ダンダダン」
超絶ヒットとなっているこの作品が世に出たきっかけや、作者の素顔に迫ってみたいと思います。
大ヒット作「ダンダダン」誕生秘話
作者基本情報
- 姓:龍 幸伸(たつ ゆきのぶ)
- 年齢:39歳?(非公式)
- 出身:埼玉県
- デビュー作:『正義の禄号』月刊少年マガジン2010年10月号より初連載開始
- 現在:21年4月より『少年ジャンプ+』で『ダンダダン』連載中
年齢の公式発表はないのですが、以前先生がインタビューで「デビュー作時は25歳」と話していたので、計算すると39歳か40歳辺りだと思われます。
作品妖怪
龍先生のデビューからの作品は以下のようになります。
| 作品名 | 掲載誌 | テーマ・ジャンル | |
| 1 | 正義の禄号 | 月刊少年マガジン 2010年10月号~11年5月号 |
デビュー作・連載作 引きこもり少年のアクションもの |
| 2 | FIRE BALL | 月刊少年マガジン 2013年3月号~14年9月号 |
高校球児の野球漫画・連載作 |
| 3 | 恋愛栽培法 | ジャンプSQ.CROWN※ 2015 SUMMER |
増刊創刊号の新人読み切り漫画 |
| 4 | 神様のいる街 | ジャンプSQ.CROWN 2015 AUTUMN |
アクション・ラブストーリー |
| 5 | 山田キキ一発 | 少年ジャンプ+ 2019年4月27日 |
ジャンプ+GW読切祭掲載作品 |
| 6 | ダンダダン | 少年ジャンプ+ 2021年4月6日~連載中 |
オカルティックバトルアクション |
※ジャンプSQ.CROWN(スクエアクラウン):ジャンプスクエアの新創刊誌
デビュー作にして初連載を勝ち取った時の先生は25歳。
連載の打ち切りや、企画会議でのボツの連続など、様々な苦難を乗り越えたのち、ようやくダンダダンを世に送り出すことができました。
連載開始1話目にして、すでに大きな反響があったそうです。
デビューから本作品までの道のり
デビュー前の経歴は?
絵は独学で学んだ
幼少の頃から絵を描くのが大好きだったという龍先生。
特に絵の学校などには通わず、落書き程度で楽しんでおり、賞をもらったこともあったそうです。
漫画家になろうと思ったきっかけは、コンビニでアルバイトをしていた時のこと。
レシートの裏に絵を描いていると、店長から「マンガ家になったら」と言われたからだそうです。
店長としては軽い気持ちで言ったのでしょうけれど、その一言が無ければダンダダンが生まれなかったかもしれないと思うと、ありがたいやら怖いやらですね~。
初めての持ち込みは「ガンダム」?
店長の一言から、龍先生は漫画家になろうと決意します。
当時はガンダムが好きだったため、なんとオリジナルのガンダムを100ページも描いて、「ガンダムエース」に持ち込みました。
内容はひとまず置いといて、すごいインパクトだったでしょうね(笑)
ともあれ、絵の上手さを買われた先生は、曽野由大先生(ガンダム作家)のところでアシスタントとして働くことになりました。
3年間、昼夜問わずひたすらに働く日々。
それでも、絵の勉強をしたことがなかった先生にとって、上手い人達と一緒に漫画を描くことは非常に勉強になったと語っています。
デビュー後も山あり谷あり
アシスタントを続けながら作品を持ち込み、「月刊少年マガジン」(講談社)の月マガ新人漫画賞グランドチャレンジで佳作を受賞。
その後、ひきこもりの少年を主人公にした、「正義の禄号」でなんと連載デビューを果たします。
しかし短期間で打ち切りとなり、その後の連載も長くは続きませんでした。
担当編集者との折り合いが悪いこともあって、龍先生はジャンプ系列への移籍を考え始めます。
担当・林氏との出会い
ジャンプに作品を持ち込んだ龍先生は、後に先生の担当編集者となる林土平氏と出会います。
早くから先生の才能を見抜いた林氏とタッグを組み、何度か読み切りの掲載もされましたが、なかなか連載までこぎつけることはできませんでした。
この読み切りの前後では、アシスタントをしながら、数え切れないほど連載企画を出し続けていた覚えがあります。連載ネームの沼ですね。
アル:『ダンダダン』龍幸伸×林士平対談インタビューより抜粋
藤本タツキ先生との出会い
龍先生は、「ファイアパンチ」や「チェンソーマン(1部)」の作者である藤本タツキ先生のところで、アシスタントを務めることになりました。
当初は賀来ゆうじ先生なども一緒にアシスタントをしていたそうで、漫画の上手い人達が集まっていた現場でした。
その中でも龍先生の画力は群を抜いており、背景を描くのがとてつもなく上手かったそうです。
藤本先生の作品「ルックバック」に登場する「京本」は龍先生がモデルだと、後に藤本先生が語っています。
他にも、映画「チェンソーマン」上映で配布された冊子に、龍先生の背景を褒めている個所も見られます。
お互い褒め合ってる、なんだかいい関係♡
漫画が描けなかった時期も
藤本先生のアシスタントをしながら、ジャンプ本誌やSQ.の連載に向け、次々と新しい企画を出す龍先生と林氏。
しかしどれも面白いはずなのに、連載会議で通ることはなく「ボツ」ばかり。
2人で憤る日々を送っていました。
自信があったキョンシーものの作品もボツになってしまい、自信を失った先生は「もう描けない」と林氏に漏らしました。
ーそして、2019年夏に連載会議に出したキョンシーものの企画がボツになったのが、自分にとっては大きな出来事で。
「これでもダメか」と思うと、そこから描けなくなっちゃって…。
上記インタビュー記事より抜粋
ダンダダンが生まれたきっかけ
押しも押されぬ人気作となったダンダダン。
しかし、連載開始までの道のりは険しいものでした。
漫画が描けないとまで思った龍先生が、いったいどうやってこの作品を創り上げることができたのかーーー?
ここからは龍先生と、編集担当の林氏のインタビューを参考にしながら、ダンダダン誕生秘話に迫りたいと思います。

以下の内容は、過去のインタビュー記事から引用、参考にしたものになります。
参考記事:アル『ダンダダン』龍幸伸×林士平対談インタビュー
その一言からダンダダンが生まれた
幽霊を信じないオカルトマニアの少年・高倉と、宇宙人を信じない少女・綾瀬は、互いの理解を超越した圧倒的怪奇に出会う——…!オカルティック青春物語!!
引用元:[第1話]ダンダダン-龍幸伸|少年ジャンプ+(集英社)
自信を失った龍先生に、林氏はこう声を掛けました。
「何も考えず自由に描いてみたらいいんじゃない」
連載における「こう考えましょう」みたいなことって、龍先生には超長い期間話し続けてきたから、もはやこの人はそんなことを考えなくてもいいんじゃないかと思ったんです。
本当にいろんなトライをしましたしね。そういう意味では、『ダンダダン』は龍先生の素が出ている作品と言えるかもしれません。
アル『ダンダダン』龍幸伸×林士平対談インタビューより抜粋
そこから吹っ切れた先生は、プロット無しでネームを描き始めました。
自由に描いていいという言葉が、先生の背中を押したのでしょう。
ページ数も気にせず、1か月もしない内に一気にネームを描き上げ、林氏に見せました。
先生は「林さんが面白がってくれればいい」くらいの気持ちで描いたと言っていますが、結果的にはこれが良かったのでしょう。
「自分の描きたいものを描きたいように描く」自由な発想と、林氏の後押しによって、ダンダダンのベースが出来上がったのです。
お互いに信頼し合っていたからこそ、この作品が生まれたのだと思うと、なんだかロマンを感じますね。
化け物には化け物を
ログラインというものがあって、「マンガを一言で表すとどういうことなのか」というものなんですけど、それをたくさん書き殴ったノートがあるんです。
そのノートを見返していたら、「『貞子vs伽椰子』が面白い」って書いてあったから、「あ、これをやろうかな」って(笑)。
それがオカルトをテーマにした理由です。
上記インタビューより抜粋
ダンダダンの構想の根底には、映画『貞子vs伽椰子』があると語る龍先生。
劇中の「化け物には化け物をぶつけるんだよ」というセリフが決め手となったそうで、
良い意味で馬鹿っぽくって楽しめる、ホラー要素を活かした漫画を目指すことにしました。
ただし、日本の妖怪ものは昔の悲惨な出来事から生まれることが多いので、もう少しエンタメ要素を盛り込んだ、ポップで明るめのものにしたかったそうです。
妖怪は元々人間で、悲しい過去があり、なりたくて妖怪になったわけじゃない。
そんな背景をベースにして、妖怪=悪人ではなく、それぞれがなにかしらの葛藤を抱いている、どこか温かみや親近感のあるキャラクターが次々と生みだされました。
ダンダダンは読んでいて、善(人間)vs悪(妖怪・宇宙人)という図式ではなく、共闘や感情移入などの側面も見られ、キャラクターにとても好感が持てます。
ターボババアやアクサラ、六郎(セルポ星人)などそうですね。
人間と同じように悩み苦しみ、人間と繋がりを持って生きる彼ら。
もしかしたら、いつか人間と彼らは共存できるのではないか。
そんな一筋の希望も感じさせられます。
迫力とリアリティーを追求した作画
ダンダダンの魅力の1つに、ズバ抜けて高い画力と構成力が挙げられますが、ここにももちろん龍先生のこだわりが詰め込まれています。
先生は好きな漫画に、故・三浦建太郎先生の「ベルセルク」を挙げています。
あれほど世界観を作り込み、リアリティーを持たせている漫画はないと語る先生。
自分の作品にもその影響が顕著に現れています。
読んだ方は分かると思いますが、バトルやホラーの描写なんか、緻密で迫力満載ですごいですよね。
崩壊した建物の瓦礫や石つぶてまで、細部に渡って細かく描かれています。
これがデジタルじゃなく、アナログ(手描き)だと知った時には、開いた口が塞がりませんでした。
執念、いや情念が籠ってます。
(実際に先生が言ってました)
学校生活や日常のシーンでは、時にはギャグ、時にはピリッとした空気などの緩急も巧みにつけてあり、どこを読んでも目が離せません。
まとめ
龍先生や林氏の漫画にかける想いが、こちらにも伝わってくるインタビューでした。
常に追求を忘れず、様々な苦難を乗り越えた先に、自身の表現法と世界観を見つけたお2人に拍手を送りたい!
リアリティーを損なわないよう、画面の表現はできるだけサボらないようにしていると先生は語っていました。
その姿勢が失われない限り、ダンダダンはこれからも私達を魅了し続けてくれるのでしょう。
先が読めないストーリーと、これからの2人の活躍も楽しみにしてます!


コメント