こんにちは!
本日もシングレ最終話に向けて、今までの軌跡を振り返っていきたいと思います。
追いつかなくなっては困るのでさっそくスタート!
最終話まであと数話! 2度目のジャパンカップを振り返る
最強対決!世界一を掛けての2度目の「ジャパンカップ」
マイルチャンピオンシップ(G1)から1週間。
オグリキャップにとっては2度目のジャパンカップ(G1)を迎えました。
世界からは続々と最強が集結。
世界記録ホルダーのシーフクローをはじめ、凱旋門賞馬のキャリーズルーム。
そして前回の覇者オベイユアマスター等々、強者が勢ぞろい。
対する日本勢はオグリをはじめスーパークリーク、イナリワンにバンブーメモリーと、錚々たるメンバーで迎え撃ちます。
前回はジョーカーとしてのおどけた仮面を被り、最後の最後に獰猛な素顔を表わしたオベイユアマスターは、今回は小細工なしと本来の堂々とした姿でターフに降り立ちます。
(カッコいい!)
ゲートが開き、早々とトップに躍り出たのはイギリス代表、欧州中距離チャンピオンのイブビンティ。
元気で素直な可愛いお嬢様は、怖いパワータイプのシーフクローと共にレースを引っ張ります。
徐々に違和感を感じ始める他のウマ娘達。
それもそのはず、レースは本来の中距離のタイムをはるかに超え、マイル並みのスピードで展開されていたからです。
しかも中盤に差し掛かっても、そのスピードが落ちる気配がありません。
焦りを見せ始める他のウマ娘達をよそに、先頭の2人は喧嘩しながら尚もハイスピードを保ちます。
トムとジェリーみたい(笑)
そんな中でもオグリはリラックス。
先日のマイルチャンピオンシップでハイスピードに耐性ができたため、自分のペースを崩さず走れています。
スタミナも問題なく、自身の成長を感じるオグリ。
「君の代わりに世界一になるよ」と、心でタマモクロスに語り掛けます。
そして依然としてレースはハイペースのまま。
残り800メートルで、マイルチャンピオンシップの勝ちタイムより早いペース。
残り600メートルでは、1800メートル時点での日本記録を叩き出していました。
残り400メートルに差し掛かった時、オグリはスパートを掛け前に出ました。
追いつけないスーパークリーク。
知らず知らずのうちに自分のペースを崩され、体力を削り取られていたからです。
天皇賞(秋)では他のウマ娘達の体力を削り取り、レースを支配下に置いていた彼女が逆にしてやられることになるとは、なんとも皮肉。
そして出て来たオベイユアマスター。
「灰の怪物」と「ワイルドジョーカー」の一騎打ちが始まるーー!
ーーそう思われた最中、何の前触れもなく意識の外からやって来たのはもう一人のジョーカー。
ニュージーランド代表のフォークインが、唐突にオグリとオベイの前に躍り出ました。
常に三番手に控えていた彼女はハイスピードの中馬群に沈むこともなく、圧巻の走りで他を抜き去ります。
追うオグリとオベイですが、伸び続ける彼女のスピードに追いつくことができません。
いったいどこから彼女はやって来たのか?
なぜ先頭に残れているのか?
そもそも彼女は誰なのか?
戸惑うオベイや観客達。
このまま第2のジョーカーの勝利となるのかーー?
フォークインは史実のホーリックスがモデルとなっています。
1989年のジャパンカップにニュージーランド代表として出走した葦毛の牝馬で、他の出走馬に実力勢が揃っていたため、前評判も注目度も低い馬でした。
それが一転してトップに躍り出る!
無名とも言える彼女が見せたすさまじい走りに、スタンドは大きなどよめきで包まれたそうです。
知っている方は知っている、JRAの2012年ジャパンカップのCMでは、このホーリックスが取り上げられています。
「躍り出ろ。お前を知らない者達の、隙を突いて躍り出ろ」
このフレーズはまさにシングレでの彼女の姿ですね。
短いけど鳥肌立つほどカッコいいCMですよ!
観ると「ああこういうことか」とさらに納得できるので、ぜひ観て!
私(アタシ)は誰?
ニュージーランド代表のフォークインは、前回のジャパンカップに出走したウマ娘・エラズリープライドの妹分。
エラズリーを「姉様」と慕い憧れるウマ娘です。
彼女も実力のあるウマ娘でしたが、エラズリーの強さの陰に隠れ、誰も彼女自身を視てくれてはいません。
そんな中、ジャパンカップでエラズリーは8着。
希望を打ち砕かれた関係者達は、フォークインを第2のエラズリーとして次のジャパンカップに送り込もうとします。
周りの身勝手で残酷な仕打ちに、自分自身を見失いそうになるフォークイン。
彼女はことあるごとに鏡を覗きながら、「世界で一番強いウマ娘は誰?」と問いかけることで、精神の均衡を保とうとしていました。
彼女の走りはまるで怒り。
誰も彼もが勝手に自分をエラズリーの代わりとし、夢を押し付ける。
そんな周りに対し憤り、反発するかのようにがむしゃらに走り続けます。
飛び交う声援もうるさいだけ。
誰も「アタシ」を視てくれないくせに…!
そう歯ぎしりをする彼女に、背後から声が掛かります。
「フォークイン!」
第2のエラズリーでもない、彼女自身の名前。
叫んだのは、いつの間にか彼女の後ろに迫っていたオグリでした。
ここでは孤独を抱えたフォークインの苦悩が描かれています。
実力はあるのに誰にも認めてもらえない彼女の苦悩は、いったいどれほどのものだったでしょう。
しかしこのジャパンカップで彼女は全ての周りの声を振り払い、ただ自分自身を証明するために走ります。
フォークインはいつも鏡の中の自分に語り掛け、日本のホテルにも愛用の姿見を持ち込んでいました。
これは、モデルのホーリックスがとても寂しがり屋なため、日本へ向かう機内に大きな鏡を置いて、映る彼女の姿で寂しさを紛らわせさせていたエピソードに由来しているようです。
自分を証明する物語
このレース前、オグリとフォークインは偶然にも温泉施設「健康ランド」で出会っていました。
休養のため近くの健康ランドを訪れたオグリですが、初めてのことで勝手が分からず戸惑っていたところ、色々と教えてくれたのがフォークインでした。
健康マニアで温泉好きのフォークインにオグリはすっかり懐き、彼女を「健康ランド師匠」と呼び色々な話をします。
地元が大好きと笑顔で話すオグリに、フォークインは「貴方は貴方として愛されているのね」と呟きました。
同じ葦毛、同じ重圧を背負わされたオグリにシンパシーを感じていたフォークインですが、当のオグリはそんな周りのプレッシャーなどみじんも感じていません。
ただ真直ぐに走るオグリを羨ましいと心の底から思った彼女。
そしてオグリもまた最初から彼女に特別なものを感じており、その強さに心からの敬意を表します。
強いライバルと戦えることに喜ぶオグリ。
自分の理想そのものと言えるオグリに勝って、自分を証明したいフォークイン。
2人はスピードを落とすことなく、ゴール版を切った後もまだ走り続けていました。
死闘を制したのはフォークイン。
2分22秒2という世界レコードを叩き出し、ジャパンカップの勝者となりました。
すごいレースですね!
世界記録を出したフォークインは、第2のエラズリーでもジョーカーでもなく、まごうことなき「王(キング)」だったんですね。
またまたJRAのCMの話になりますが、CMの中の
「世界を変えるのに3分もいらない」
という超カッコいいフレーズはまさにこれのこと!
実際に観ていた方は大興奮しただろうな~、いいな~。
世界を変えたレース
従来の日本レコードを2秒以上も縮めた「2分22秒2」という記録。
それは世界レコードも更新した、まさに「事件」でした。
フォークインに僅差で負けたオグリは悔しそうでしたが、彼女もまた歴史的事件の当事者でもあります。
勝利したフォークインの前にエラズリーが現れ、フォークインの勝利を讃えます。
他の誰でもない、貴方自身の勝利だというエラズリーの言葉に、涙を堪え切れないフォークイン。
理不尽な期待や使命から逃げ出さず勝利を勝ち取った彼女は、晴れて堂々たる「世界を変えた勇気のウマ娘」へと生まれ変わったのでした。
シーフクローやイブビンティはレースが終わっても相変わらず元気で、周りを引かせています。
オベイは落ち込んではいますが、何やら満足気そうでもあります。
オグリはまたフォークインと会えるかと思い「健康ランド」に出向きました。
そこに現れたフォークイン。
「戦えてよかった」とお互いに喜びを伝え合います。
また会えるかと問うオグリにフォークインは「きっと」と答え、笑顔で去って行きました。
晴れやかな笑顔を浮かべるフォークインは、今までと違い自信に満ち溢れています。
自分を証明できたことで、これから彼女はもっと強くなっていくのでしょうね。
しかし気になるのはオグリに掛けた言葉。
ーーこれから貴方は色々なものを背負わされるだろうけど、アタシのようにはならないでーー。
何か思う所があったのでしょうか。
この先のオグリの道のりを予見しているようで、なんだか少し不安が残ります。
それにしても、他のウマ娘達も負けてなお前向きなようで、終わってからも清々しさを感じるレースでした。
何より記録づくめのレーススピードと世界レコード。
歴史に残るレースを体験できたウマ娘達の、さらなる飛躍も期待できそうです。
おさらいまとめ
2度目のジャパンカップも見どころ満載でした。
オベイが今回優勝できなかったのはちょっと残念でしたが、フォークインという新たな王の誕生というのも、これはこれで良き。
それにしても、レースには絶対というのはないんだな。
物語はこの後、永世三強が揃う有馬記念へと舞台を移します。
果たして最強を手にするのは誰か?
ちゃっちゃと行きたいと思いますので、次回もどうぞお楽しみに!


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